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【観劇レポ】ミュージカル『ピーターパン』2026年公演@東京国際フォーラム

ポイント

ミュージカル『ピーターパン』2026年公演は、内海啓貴氏演じる愛すべきフック船長が良い味を出していた。
子ども向けの作品とはいえ、特に大人がドキッとするようなシーンがあり、スパイスが効いていた。

2026年8月、東京国際フォーラム ホールCで、手動車いすを利用してブロードウェイミュージカル『ピーターパン』を観劇した際のレポである。

親しみやすさの中のスパイス

ピーターパンを題材にした演劇を観るのは、2月に観劇した『ピーターとアリス』以来だ。『ピーターとアリス』では、「子どもを子どものまま封じ込める」という禁忌の一つの形としてピーターパンが描かれており、全体的に緊張感のある作品だった。それに対して今回の『ピーターパン』は、基本的には子ども向けの作品ということもあり、親しみやすく、楽しい雰囲気で物語が進んでいく。しかし、そんな親しみやすさの中にも、ところどころ「スパイス」のようなものを感じた。ピーターパンは、大人になることをひどく嫌っている。「子どものままでいたい」「楽しいことだけをしていたい」という欲求そのものには、少年らしい純粋さや微笑ましさを感じる。しかし、ピーターパンのそれは、単に「純粋でかわいらしい」という言葉だけでは片づけられないような、強い執着にも見えた。その異質さが、物語の随所でふと顔を出す。基本的には明るく楽しい作品だからこそ、そうした瞬間に不意を突かれる。そこが個人的にはとても印象に残った。子どもが観れば冒険や友情を楽しめる作品でありながら、大人が観ると、ピーターパンという存在の危うさにも気づかされる。そうした二重性が、この作品の面白さの一つなのかもしれない。

内海啓貴氏が作るコミカルさ

今回の観劇で、筆者の一番の目当てはフック船長を演じる内海啓貴氏だった。内海氏のお芝居を観るのは、『ロミオ&ジュリエット』『1789』『レイディ・ベス』に続いて4作品目になる。内海氏といえば、惚れ惚れするような歌唱力と、緻密な役作りが魅力だと感じている。今回も歌唱は安定のクオリティだったが、それ以上に印象に残ったのは、やはり役作りだった。これまで観てきた3作品ではあまり見られなかった、コミカルな内海氏が舞台上にいたのである。終演後のアフタートークやカーテンコールでの言動などから、面白い方なのだろうという印象は以前から持っていた。そのため、今回のフック船長は、ある意味では内海氏の素に近い部分もあるのかもしれないと思った。これまで観てきた役柄との振れ幅がかなり大きい。だからこそ驚きがあり、内海氏の役作りの技術を改めて感じた。
フック船長は、基本的には主人公であるピーターパンと敵対するヒール役だ。しかし、どこか抜けていて、「なんだかんだ憎めないな」と思わせる絶妙な愛らしさがある。その愛らしさを、内海氏がとても巧みに作り上げていたように感じた。
終演後のアフタートークも面白かった。「本公演の中で、ほかに演じてみたい役はあるか」というテーマに対して、内海氏はウェンディの弟・マイケルと回答し、会場の笑いを誘っていた。「内海啓貴節(?)」が炸裂した瞬間だったように思う。
これまで観た3作品ではあまり見ることのできなかったコミカルな内海氏を堪能できたことは、今回の観劇の大きな収穫だった。

車いすでのアクセスなど

東京国際フォーラム ホールCは、1階に受付がある。本公演では、まず受付で持参したチケットを提示し、車いすスペースのチケットと交換してから入場する形だった。今回、もともと持っていたチケットの座席は、座席表でいうと1階席の6列目あたりだったが、実際に案内された車いすスペースは、下手側L2扉入ってすぐの1階17列13番だった。参考までに、車いすスペースから見たステージの様子を撮影した画像を掲載しておく。

ホールCの1階席は、建物の4階に位置している。多目的トイレは少なくとも2階と4階に設置されていることを確認した。ただし、本公演では、4階の多目的トイレは幕間の休憩中のみ利用可能で、開演前は2階の多目的トイレしか利用できなかった。

まとめ

ミュージカル『ピーターパン』2026年公演は、子どもが楽しめる親しみやすい作品でありながら、大人が観るとドキッとするような場面もあり、良い意味でスパイスの効いた公演だった。
内海啓貴氏演じるフック船長が持つ絶妙な愛らしさは、ぜひ実際の舞台で味わってほしい。

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