2026年9月19日にシアタークリエで開催されたミュージカル『民王』に車いすで観劇に訪れた際のレポである。
コミカルかつハートフルな世界観
本公演全体を通して感じたのは、登場人物たちの親しみやすさと作品が持つ温かさである。劇中に登場するキャラクターはいずれもどこか抜けていたり、ダメな部分を持ち合わせていたりするのだが、どうにも憎めない愛らしさがある。これは間違いなく、キャストの皆さんが見せる絶妙にコミカルなお芝居の賜物だろう。
また、本作は劇中で人格が入れ替わるという設定上、実質的に一人二役をこなされているキャストが複数人いらっしゃる。以前、舞台アケチコを観劇した際にも感じたことだが、全く異なる別人格を演じ分け、かつそれをテンポよく滑稽に見せるプロの高度な技術を間近で体感することができ、観客として非常に得をしたような贅沢な気分を味わえた。
物語の終盤、これまで喧嘩ばかりだった親子の心の距離が縮まったことがうかがえるシーンでは、胸に迫るものがあった。この場面で心にジーンと届く感動が生まれたのは、別所哲也さんと有澤樟太郎さんの確かな歌唱力と表現力があったからこそだと感じる。
また、印象的だったのが、今作がミュージカル初挑戦となった林瑠奈さんの存在だ。その澄み渡るような歌声は、目まぐるしく展開するコミカルなシーンのなかで心地よい清涼剤となり、効果的に癒やしを与えていた。林さんは年末にも次のミュージカル出演が控えているとのことなので、さらに進化された歌声やお芝居を拝見できるのが今から非常に楽しみだ。
車いすでのアクセスなど
会場であるシアタークリエへは、日比谷シャンテの地下2階と直結しているため、そちらのルートを経由してスムーズに会場入りすることができた。
入場時はB1階の下手側にある入口から場内へ入り、入口のすぐ近くにある、座席表でいうと21列3番相当の車いすスペースにて観劇した。
なお、購入したチケットの券面の座席は10列15番だった。
開演前には、劇場スタッフの方から以下の点についてヒアリングがあった。
- 休憩時間中にお手洗いへ行く予定があるか
- 終演後は1階のエントランスから退場するか、それともB2階の日比谷シャンテ連結出入口から退場するか
- 終演後にタクシーを利用するか(必要に応じて手配などのサポートをしてくださると推測される)
※URLはいずれも2026年9月19日取得