2026年10月11日に奈良・平城京にて開催された、LEGACY ZOMBIE LABO 「文禍伝雷」に車いすで参戦した際のレポである。
フェスのような規模感と、細部まで宿るクリエイティビティ
本公演は、平城京という特別な場所を使うという新しさだけでなく、ライブ前後で奈良県を大々巻き込んだ多数のイベントやスタンプラリーが実施されるなど、まるでフェスのような一大スケールで行われた。
今回はライブツアーからスピンオフされた単体の公演である。こうした単体の公演は過去にもあったが、ずとまよのクリエイティビティや作り込みがこれでもかと詰め込まれる印象がある。ツアーだと公演の間にどうしても移動や設営があるため、どうしても規模が小さく紋切り型になりがちだ。しかし、単体の公演ではそうした事情がないため、惜しみなくこだわれるという背景があるのだろうと推測する。
本公演でもライブで盛り上がる定番曲が多数披露されたが、何より驚いたのは「lowmotion algae」の披露だ。音源で10分近くある長大な楽曲であるため、ライブでの披露は意外だった。
ショート動画の台頭で、近頃の楽曲は短く、早くなる傾向にあるといわれて久しい中、「lowmotion algae」という楽曲がリリースされたこと自体から、ACAねさんのクリエイティビティやものづくりへの並々ならぬこだわりを感じていた。ずとまよの持つクリエイティビティが総動員された本公演で、あえてその楽曲を披露したことからも、その強いこだわりがひしひしと伝わってきた。
音楽はいつ聴いても変わらず一級品だ。ずとまよのライブでは多様な楽器が使われるのが恒例だが、今回は三味線に加え、楽琵琶が初めて登場した。味のある優しい音色響き渡り、歴史ある平城京の雰囲気にこれ以上ないほどぴったりだった。
言行一致のクリエイティブ
筆者は、ボーカルのACAねさんがMCで紡ぐ言葉を毎度の密かな楽しみにしている。今回特に印象に残ったのは、『歴史は、たくさんの「今」の積み重ねである』という旨の言葉だ。まさに今回の平城京での公演にふさわしい言葉だと感じる。
ACAねさんは本公演の開催に際し、奈良県の企業にコラボを依頼するにあたって自ら直接企業と接触したり、県知事と話をしたりされたとのこと。まさにクリエイティビティと行動力の塊である。
そんなACAねさんが「今」目の前にあることに全力を尽くして作り上げた本公演は、確実に「歴史」に刻まれると確信しており、言行一致とはまさにこのことだと感服させられた。
車いすでのアクセスなど
当日の移動や会場周辺の様子を備忘録として残しておきたい。
JR奈良駅のタクシー乗り場に向かったものの、なかなかタクシーが来ない。少し離れた場所でタクシー配車アプリを使うも、配車可能予定時刻が「20〜40分後」と表示されたため、タクシー移動はあきらめ、手動車いすの自走に切り替えて朱雀門ひろばまで向かった。所要時間は30分ほどだった。
朱雀門ひろばから北西部にあるバリアフリートイレを経由し、車いす用スペースへと向かった。スペースに到着したのは、朱雀門ひろばに到着してから30分後のことである。
車いすスペースは20m四方ほどの台となっており、ステージ下手側前方に設置されていた。前方に車いす10台分の番号が振られており、それに対応する番号のタグを車いすに装着するよう指示される仕組みになっていた。離席中の割り込み防止対策として非常に有効であり、良いアイデアだと思う。参考までに、車いすスペースからステージを撮影した画像を添付しておく。

20:00頃に終演。終演後は北西方向に退場した。バリアフリートイレの脇を通り、奈良文化財研究所の向かいの出口から奈良精車線に出るルートをとった。
奈良生駒線まで南下し、朱雀門ひろばの「天平みつき館」の脇にあるバス停留所から、奈良交通の臨時バスが発着していた。
なお、奈良精車線は歩道が狭く暗いため、安全な通行のためにライトの持参・使用を強く推奨したい。バス停に到着したのは20:30頃であった。
20:30の時点で、バスは大和西大寺駅行きとJR奈良駅行きが運行しており、15〜20分おきくらいにバスが来ていたためスムーズだった。乗車後10分程度でJR奈良駅に到着することができた(URLは2026年10月16日取得)。
筆者が案内された車いすスペースは、2階南側Hブロック最後部の「H11-01」というエリアであった。ステージ上手側かつ、ステージから最も距離のある位置だ。なお、当選していたチケットの指定席は3階南Nブロック2列9番であった。
移動面に関しては、約30mほど後方に女性用トイレおよび多目的トイレが設置されていたため、アクセスは良好だった。
入場時は、千駄ヶ谷駅の向かい側にある1階入口から入場し、エレベーターを使用して2階の車いすスペースへと移動する導線となっていた。終演後は2階の扉が開放され、スムーズに退場することができた(URLはいずれも2026年10月5日取得)。