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【レポ】棘と余韻。THE TRICKSTER

ポイント

棘と余韻。の公演THE TRICKSTERは深い没入感を得られたダンスパフォーマンス公演だった。

2025年7月12日に渋谷のSLOTH JINNNAN GALLERYで開催された、「棘と余韻。」の公演「TRICKSTER」を手動車いすで鑑賞した際のレポである。

深い没入感とエネルギー

予備知識がほぼゼロの状態で鑑賞したこともあり、終始没入感に浸っていた。早瀬翼という人物の美術展という設定だが、これが設定だと気が付いたのは終演後である。

また終演後はキャストのみなさまが来場者と談笑される場面があった。公演中は見られなかった屈託のない笑顔で会話に花を咲かせていらっしゃる姿は、公演中のキャストのみなさまと同一人物とは思えず、プロの凄まじさを痛感すると同時に、現実に戻ってきた感覚があった。

本公演は舞台と客席の距離が非常に短い。ほぼゼロ距離である。そのため、バケツたっぷりのエネルギーをすべて浴びたような感覚だった。

演出、キャストの皆さまの終演後のギャップ、そして近さゆえのエネルギーが、現実との境目がわからなくなるような没入感につながったのだろう。

 

全部見どころ 目が足りない

次から次へと素晴らしいダンサーのみなさまが登場し、群舞を披露されるのは圧巻だった。すべてを目に焼きつけたいという思いとは裏腹に、目は2つしかないのですべてをインプットできないのが悔やまれた。

みなさん素晴らしいのは言わずもがなだが、moemodanさんは流石で、存在感をいかんなく発揮されていた。先日の至ノ塔をきっかけに情報を追うようになり、本公演を認知したのもその一環である。至ノ塔とは異なりステージとの距離が近いので、圧巻だった。また拝見したい。

他に印象に残った方がお二方。お一人目はRiaさんだ。自分でも理由はわからないが、気づいたら目で追ってしまっていた。独特なオーラを感じ惹きつけられた。

もう一方はNaoさんだ。表情に最も説得力を感じた。女神の役にふさわしい、赦しを与えてくれるようなアルカイックスマイルが、崇高な雰囲気を創り出していた。

 

 

 

車いすでのアクセス

会場のSLOTH JINNAN GALLERYのアクセスは、単独の車いすユーザーには若干難があるように感じた。2Fに行くためビルのエレベーターを使う必要があるが、入口の両開きのドアはストッパーを外して両開きにしないと筆者の手動車いす(幅約60cm)では通れなかった。通りがかりの親切な方が両開きにしてくれたので今回は何とかなった。

また、2FのGALLERYという会場に行くには10段ほどの階段を登るしかない。本公演ではチケット購入時に車いすでの来場をお伝えしていたので、取り外し可能なスロープを用意していただいてスムーズに移動できた。スロープを準備いただいたことに感謝したい。

お手洗いについては、筆者は男性用しか入らなかったが、段差はなかった。出入口の幅は筆者の車いすはギリギリ通ることができる程度だった。

 

ポイント

棘と余韻。の公演THE TRICKSTERは現実との境目がわからなくなるような没入感を得られたダンスパフォーマンス公演だった。

イベント等でSLOTH JINNAN GALLERYに単独でアクセスする車いすユーザーは、主催者等に事前の連絡が必要だろう。

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