2026年2月11日に東京芸術劇場プレイハウスで舞台ピーターとアリスを手動車いすで観劇したレポである。
途絶えない緊張感と不気味さ
ピーターパンと不思議の国のアリスを題材としているが、おとぎ話のポップさは全くなく、常に緊張感や不気味さがあるというのが本公演の特徴だった。演者の会話以外の音がほとんどないため全体として静かであること、照明が薄暗いことも不気味さに拍車をかけていた。登場人物の感情の起伏が激しく、静から動に急激に切り替わるさまは、まるで地雷があちらこちらに埋め込まれているかのようだった。
多様な要素の混ざり合い
一人複数役を演じられていること、回想に入ったり戻ったりが繰り返されることにより、時系列や場面が複雑に混ざり合っていた。そして、本公演のテーマと思われるのが2つの要素の対比だ。現実と空想、あるいは自身と影の対比である。両者も境界線がなくなり、混ざり合いながら展開していく。この複雑さを伴いながら演じられる俳優の皆さまに脱帽である。
不変に抗うという禁忌
本公演で最も印象に残ったのは、写真と物語が、子どもを子供のまま封じ込める手段として描かれていたことだ。当然ながら世の中は不変で、およそ人間は成長し、あるいは老いていく。その理に抗うという禁忌が写真や物語によって実現され、その代償やひずみが、一触即発の地雷として随所に散りばめられている。
何気なくこれまで楽しんでいた物語や写真は、現実の何か/誰かに対しひずみをもたらしているかもしれないという発想は今まで無かったため、胸を衝かれた。
車いすでのアクセスなど
今回はチケットを発券後、電話で事前に連絡し、車いすを預かってもらい券面の座席(1階J列2番)で観劇したい旨を伝えていた。スタッフの方の案内のもと、ロビーから階段昇降機で降り1階席上手側のR1扉より入場した。階段昇降機を使う必要があるため、事前の連絡は必須だろう。
参考までに1階J列上手側のすぐうしろからステージを撮影した画像を添付しておく。
