2025年12月20日に日本武道館で開催された乃木坂46の40thSGアンダーライブDay2に車いすで参戦したレポである。
質の高い歌唱とダンス
ダンスも歌唱も見ごたえがあるというのが、本公演全体の感想である。全体のライブと比較して少人数でフォーメーション全体を俯瞰できるからこそ、揃ったダンスの魅力が増す。今回のアンダーライブもしっかり歌える方々が揃っているほか、生バンドの後押しもあって歌がよく届いた。
主人公 五百城茉央さん
40thSGのアンダー楽曲でセンターを務められているため、五百城さんをが目立つような演出が多かったという側面はあれど、主人公然とした五百城さんの姿が印象的だった。エネルギーにあふれ、「この人ならきっと何でもできる」というような感じだ。スピーチで、従来は傷つくことを恐れ期待しないようにしてきたが今後は自分に期待するという旨の決意表明をされた。表情に迷いがなく、どこか吹っ切れた感じが終始伝わってきた。迷いのなくなった主人公がどこまで進んでいくのか、まさに「期待」が膨らむ。
奥田いろはさんの細やかな気遣い
奥田さんの細部への気遣いやこだわりが垣間見えた公演だった。まず、見たことのないヘアアレンジをされていた。そしてセンターを務められている「落とし物」。これまで何度も披露されてきたが、毎回変化がある。今回は冒頭のソロパートの存在感がすさまじかった。突飛なことはしていないが、短いフレーズでガラッと空気を変える瞬発力が高かった。さらに、毎度のことだが姿勢がよい。ダンスで体を動かしているときもそうだが、MCのパートも然りである。五百城さんのスピーチの最中に体ごと五百城さんのほうへ向けられているのが印象的だった。
柴田柚菜さんの癒し成分
柴田柚菜さんは今回も素晴らしかった。前回のアンダーライブのレポで「希望を感じられた」と書いたが、本公演でも聞く者の心を癒し、場をまろやかにするような歌声が素敵だった。また、センターを務められている「交感神経優位」のすさまじさを感じた。爆発力があるような歌ではなくしっとりした曲調だが、とにかく長く耳に残る。余韻が長く続き、終演後もしっかり心に残っているのだ。これは柴田さんの癒し成分を心が欲していることの証左だろう。柴田さんの声には魅力が詰まっている。舞台のお仕事を期待したい。
車いすでのアクセス
神保町・九段下駅からは登り坂が続くので、市ヶ谷から移動したところ、比較的移動の負荷は小さかった。筆者は一般販売でステージバック席のチケットを入手していた。事前に所定のフォームから車いすスペースを申請したところ、本公演ではステージバック席に車いすスペースの用意がないので、車いすスペースを希望する場合は当日会場で一般席のチケットとの差額を現金で支払う必要がある旨、連絡があった。なお、筆者が案内された車いすスペースは1階南西スタンドのJ列だった。