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【レポ】ずっと真夜中でいいのに。ライブ@代々木

ポイント

「ずっと真夜中でいいのに。」の代々木公演は超一流のミュージシャンの演奏技術が光り、ボーカルACAねさんが紡ぐ言葉に胸が打たれるものだった。

2025年5月18日に代々木第一体育館で開催された「ずっと真夜中でいいのに。」(以下、ずとまよ)のライブに手動車いすで参戦したレポである。

羅針盤のようなACAねさんの言葉

ボーカルのACAねさんからは人生の道標や拠り所になるような言葉を賜ることが多い。とりわけ本公演でハッとさせられたのが「非効率なものに騙されたい」と「堂々たる孤独」の2点だ。

前者については、ACAさんいわく、効率的なものに騙されるくらいなら非効率なものに騙されたいとのことだった。思うに、効率的なものに埋もれてしまう非効率を追求したいということだろう。効率が美徳とされる日常の中で意識の外に追いやられていた非効率にスポットライトを当てていただいたことで、その価値を再認識した瞬間だった。

後者について、ACAねさんは、孤独とは自分自身に挑むことと解されているとのことだった。自分自身に挑んだ結果がエラーだったとしても、その経験はのちに自身や他者を助けるから、それは堂々たる孤独なのだというお話だった。孤独という忌み嫌われがちな概念を「堂々」と表現されたことで、ACAねさんに背中を押してもらった気持ちになった。筆者も堂々たる孤独を続け、挑み続けていきたい。

「名巧」たちが織りなす名演

本公演ではバンドメンバーが「名巧」(めいこう)と称されていた。その名の通り「名巧」たちの演奏技術が遺憾なく発揮されていた。「シェードの埃は延長」→「お勉強しといてよ」→「TAIDADA」の流れは、クリティカルヒット3連発で、脳が揺れる感覚がした。

ずとまよのライブではACAねさんが即興で考えたアレンジをその場でバンドメンバーに伝えて披露するのが定番になっている。ACAねさんからバンドメンバーに伝えられるオーダーは抽象度が高く常人には理解しがたい。本公演も例にもれず難解で、「よさこい」と「フラメンコ」が合わさった「よさこいフラメンコ」なるフレーズがACAねさんから飛び出した。「さすがに無茶ぶりが過ぎるのでは…」などと思ったが杞憂だった。きちんと曲として成立させるのが、名巧が名巧たるゆえんである。全員の才能に脱帽した瞬間だった。

代々木第一体育館 車いすでのアクセス

車いすだと最寄り駅の原宿駅からはアクセスが悪い。というのも、駅のそばには歩道橋しかないため、横断歩道まで迂回しなければいけないからだ。代々木第一体育館の原宿門にたどり着くには、400mほど離れた北門のそばにある横断歩道を経由する必要があるため、計800mほど移動することになる。

他方で、今回の車いすスペースはステージ下手側の最も近い場所だったため、非常に恵まれた鑑賞環境だった(ステージの見え方は画像参照)。

まとめ

ずとまよの「名巧」ツアー代々木公演は、バンドメンバーの圧倒的な演奏技術を体感でき、ボーカルACAさんの金言が得られた。

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